フランスの便利グッズ~ジェル洗剤~
梅雨入り間近。台風2号が猛烈な勢いであると伝えられ、風雨への対策を考える季節がやってきた。
目下のところ、自分の住まいという限られた範囲で私が懸念しているのは、洗濯物の室内干しである。賃貸契約の際、契約書や使用規定の数項目だけでなく、別紙としてA3用紙1枚にわたってカビに対する注意書きが添えられていた。この物件にはベランダがないため、私は洗濯後に浴室の乾燥機能で衣類を乾かし、バスタイム時のみ、洗濯物を室内に移動させている。室内は24時間換気にしていて、今のところ防カビ対策の効果が発揮されていると思うが、それでもこの季節、室内がこもったような空気になることは否めない。
湿度が高い時期の洗濯は、肌にも影響を及ぼす。私は肌着などを日々手洗いしていて、できる限り手荒れしないような洗剤を使っているものの、そういった洗剤でも皮膜感はある。洗濯後に手を充分すすいでも、湿度のせいか、糊を触ったときのようにペタペタと貼りつく状態が残る。不快だし、放置しておくと痒くなったりするので、また手を洗う。それを繰り返すから、油分がすっかり失われ、手荒れまっしぐらになってしまうのだ。
そんな私が、フランス滞在中、ずっとお世話になった洗剤をご紹介。チューブタイプのジェル洗剤で、手洗い・洗濯機どちらでも使用可能。全ての繊維で使用OKなので、普段着用・デリケート用など、衣類によって洗剤を変えなくていい。表記では、リン酸塩無配合・こすり洗いも必要ナシとなっている。
この洗剤の最大のポイントは、手洗いの際、粉末や液体のものより洗剤に触れなくて済むというところだ。例えば、粉末洗剤は水に溶かさなくてはならないしピンポイント洗浄ができないが、この洗剤は汚れた部分に直塗りできる。また、液体洗剤より洗浄力も高いらしく、こすったりする時間を短縮できる。私が使用していたときは、まず洗面台などにお湯を張り、チューブから2~3cmほど絞ったこの洗剤を入れたら軽くかき混ぜ、30分ほど衣類を浸けていた。汗をかいたくらいの汚れだったら、こすったりせずすすいで絞って完了。汚れが目立つ場合は、指に取ったジェルをトントンと汚れた部分に叩き込み、数分放置したのち、こすり洗いしていた。
洗剤はサラッとしていて、肌についても刺激はなく、皮膜感も少なかった。また、薬品臭やきつい香りもしなかったため、バスルームのような狭い空間で使用しても、気分が悪くなるようなことはなかった。部屋干し臭もしなかったのは、日本より湿度が低いフランスだったから?
私はこの洗剤があまりにも気に入ってしまったため、帰国の際1ダース買い込み、他の荷物と一緒に航空便で日本へ送ったのだった。
その後、日本ではジェルボールが発売されたので、ひょっとしたらチューブタイプも発売されるかな?と期待して待っていたけれど、その気配はない。そのため、現在まで日本製のジェル洗剤を使用したことはない。手洗い用にするには使い勝手が悪いし。日本のものは、肌に優しいのだろうか?香料が強いという話を聞いたことがあるので、狭い空間での使用には向かないかも知れない。
日本で肌に優しい洗剤として出回っているものは粉末か液体なので、このお気に入り洗剤のようなものが発売されたら嬉しいな~と、浴室に並ぶ洗濯物を眺めながらひっそりと願っている。