今週末の過ごし方~ちょこっとウサギ繋がり~

久し振りのフレンチ・カフェは賑わっていた。駅から徒歩10分ほど、お店のロゴの看板が目印だ。紅白のギンガムチェックのテーブルクロスを掛けたテラス席の横には、鉢植えのオリーブなどが置かれている。木造りの側壁は滑らかな曲線でくり抜かれ、ガラス張りとなっているため、通りからも店内の様子を窺うことができる。ドアのガラスにはアール・ヌーヴォー様式の文字で店名が描かれており、どこかノスタルジックだ。入口右横の棚にはアクセサリーなどの雑貨が飾られ、オレンジ色の照明やカラフルな店内に足を踏み入れると、フランス人のお宅に立ち寄ったような感覚に陥る。
cafe mimi”は、日本人シェフの旦那様とフランス人の奥様2人で切り盛りしている。朝8時オープンで、プティ・デジュネ(朝食)を頂けるのが嬉しい。ランチメニューの一つ、クスクスは野菜とひよこ豆がたっぷりで、骨付きの鶏肉も入っており、見た目も食べ応えも充分だ。鮮やかに彩色された掌サイズのタジン鍋に、唐辛子を混ぜたトマトペーストが添えられ、味変して楽しむことができる。一人で訪れたなら、カウンターをお勧めしたい。店内が落ち着いてきたら、シェフや奥様に話し掛けてみよう。ご夫婦とも優しく親切な方々で、気さくに話をしてくれる。どのお客さんにも、帰り際に奥様がフランス語で一言声を掛けていた。奥様はシャンパーニュ地方のご出身で、20年ほど前から日本在住とのこと。流暢に話されるので、会話はすべて日本語OK(ちょっとフランス語で話してみようと思ったのだが、結局日本語で通した)。カウンターの背後に飾られている、ティザンヌ(ハーブティー)で有名な”エレファント”のティーポットは、色も柄も目を引く。艶消しされたパステルカラーのものは、70~80年代製とのこと。現在は製作されていないため、ブロカントなどで手に入れたものもあるそうだ。最近のものはサイズが一回り大きくなり、模様が凝っていてポップな印象。
「お客様にお出しするにはちょっと重いんですよね」
シェフが仰る通り、飾ってあるものを見ているだけでも重量感がある。
日差しが心地良い季節になったら、テラスでパナシェを一杯。デザートのガトー・ショコラも捨て難い。テイクアウトもできるので、キッシュは家で頂こうかな。奥様手書きのレシートで、最後までフランス気分を満喫できる。
毎月第二土曜日にはジプシースウィングのジャズライブが催され、音楽を聴きながらグラスを傾けるのも一興だ。

このカフェの店名は、私が幼い頃に飼っていたウサギの名前と一緒だ。ウサギを飼ったのは、私がピーターラビットラブ!だったからである(今も継続中)。そんなピーターは今年、絵本出版120周年。100周年のときもあちこち見て回ったが(あれからもう20年経ったなんて……)、今年もスケジュール帳にあれこれ予定を書き込んでいる。池袋西武にバースデーパークなる催事が出ていたので、こちらにも足を運んだ。お目当ては英国初版本デザインのポストカードセットだったのだが、それだけには止まらず、ついついカゴにグッズを追加してしまう。遂にはペンダントなど高価なアクセサリーまで物欲しそうにしてしまったが、いやいや、もし買っても絶対身に着けないで保管するだけだよね?!(そもそも、気軽に買えないよね!!)と我に返る。こういう場に来て、煩悩の塊になっている自分がちょっと恥ずかしい。でも、まあ、いいか。毎日それなりに頑張ってるし。今日は天赦日だし!(とはいえ、アクセサリーはさすがに買っていません!)
「店内は全て撮影OKです~」
係員の方がそう仰っていたので、パネルから商品ディスプレイからキャラクターの布ポスターまで、目についたものをバシャバシャと写真に収める。戻ってから見てみたら、27枚撮っていた(見境ないな~)。
世田谷美術館では、今日からビーターラビット展が開催されている。別の週末に予約を入れたのだが、もっと早くにしておけば良かったかしら、と行きたくてウズウズしている。
思い返せば、幼少期に
「初めての海外は絶対ピーターのいる湖水地方に行く!」
と親に宣言していたのに、私の初渡航先はイギリスではなくイタリアだった(フランスでもないのか!)。フランス留学前にイタリアの優待旅行が当たったからで、それはもちろん嬉しかったのだが、
「こんなことならもっと早く留学しておけば良かったのに」
と母に呆れられた(母は私が中学生の頃、英語圏への交換留学を勧めていた)。
だって、その頃は今より人見知りが激しくて、他人様のお宅で過ごすなんて絶対ムリだと思っていたんだもの~。
ピーターの展示にしても、今日一つ見たから、ちょっと間を空けた方が長く楽しめると思ったからなんだけど……。
先延ばしにする性格は今も昔も変わっていないようである。

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