フランスの日常生活~日本クラスの様子~

インターン高校で日本文化を紹介したとき、生徒たちにはできるだけ多くのことを体験してもらえたら、と毎時間思案していた。
日本クラス開講当初、私は教室の入口に、講義内容を告知するチラシを掲示していた。だが、クラスへの参加者減少という頃合いを見て、人数によって内容を変えられるよう、この告知をやめることにした。百人一首のちらし取りや歌合わせのまねごとを計画していたものの、参加者が2・3人だったため、競技かるたやお気に入りの和歌を発表する場に切り替えたことがあったからだ。ちなみに、ちらし取りにしても競技かるたにしても、前回の『ある日、禁じられた遊び』と同じく、騒がしくなりそうという理由でチューターのマリーからダメ出しされ、結局は歌の解釈という座学に再変更した。
※下の写真は講義の告知チラシ。inscription obligatoire(記入必須)にしていて、初回は記入欄を追加したくらい大人数が参加してくれたが、写真は生徒が少しずつ定まってきた頃のもの。Sはseconde(1年生)、Pはpremiere(2年生)。

人数減少以外にも2つ、告知をやめた理由がある。
参加生徒の顔ぶれが定まってきて、
「今日は書きたいものがある」
とか
「切り絵の続きをさせて!」
と希望が出てくるようになったことが1つ。もう1つは、教室の事情だ。
日本クラスを開いていたのはマリーが管理する自習室で、通常であれば生徒は誰でも自由に立ち入りできる。私の初講義の日にも、自習室として利用したい生徒がやってきたが、座れないくらいに日本クラスへの参加者が集まっていたため、そのときはマリーの判断でクラス優先にしてもらった。しかし人数が少なくなってからは、日本クラスの生徒と自習する生徒が教室に入り混じるようになった。そんな状況だったので、こちらとしても臨機応変に対応しようという気持ちになったのだ。
こういった理由により、私は講義の準備もしつつ、何かしたいことがある生徒に関しては、どちらでもいいよ、と本人が選択できるようにした。

今回は、日本クラスの生徒が定まってきた頃の様子をご紹介。
このとき教室を利用していたのはクラスの生徒だけで、折り紙か切り絵をしている。1年生と2年生が参加していて、学年に関係なく座っている生徒もいる。

このうちの1人、1年の女子生徒・マリーが制作した切り絵にチューターのマリーが大層感心し(同じ名前でややこしい……)、翌年の保護者向け学校報告便りの表紙に採用したとのことだった。
※下写真上:私が講義で使用した切り絵見本。線が切れていたりギザギザしているうえ、台紙に貼るとき、こけしが歪んでしまって、良いお手本とは言えない出来栄え……。
下写真左:生徒のマリーが制作した切り絵。細かいデザインを切れずにまっすぐカットできていて、私よりよっぽどお上手!
下写真右:左側に座っている女子生徒が、制作者のマリー。

マリーは切り絵を続けているだろうか?
他の生徒たちも、日本に興味を持ち続けてくれていたら嬉しいのですが!
※下の写真は、私がクラスで使用したひな祭りのレジュメ(明日はひな祭りなので~)。

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