この切手がステキ!~ニャン・ニャン・ニャンズ~
私は外出から戻ったとき、必ずポストを開錠している。便りが届くアテがあるわけではないにも関わらず、何かを期待する、贈り物の箱を開けるときのような気持ちでダイヤルを回し、中を覗くのだ。大抵の場合はチラシのみ、たまに何も入っていない日もあって、毎回胸元をス~ッとからっ風が通り過ぎたような体感に襲われる。
年賀状のやり取りは減ったし、手紙を出してもメールで返事が来たり、海外の友人たちにはここ数年、コロナや紛争の影響で郵送を控えていたから、ポストに葉書なり封書なりが届くことが稀になってきた。
やっぱり手紙はいいよなぁ。あの人はどうしているかしら、受け取ったら喜んでくれるかしら、と便せんやペンの色、貼付する切手のデザインなどを考えるとワクワクする。投函後しばらくは無事に届いただろうかとか返事は来るだろうかと思いを巡らせ、ポストを覗いては、今日も何もなかった、と一抹の寂しさを覚えたりする。時間が経ち期待も薄れ、日々のルーティーンでポストを開錠し、見覚えのある文字を目にした瞬間!私の手紙はちゃんと届いたのだ、返事を書いてくれたのだ、という安堵と高揚が入り交じり、いそいそと手紙を手に取る。この愉悦感は、メールでは味わえないと思うのである。
例えば、届いたのがかつて滞在したフランスの地方の絵葉書だったら。ああ、私もここに居たことがあるんだよな、と懐かしさがこみ上げる。したためられた特徴のある文字。流れるような記述が一本の横棒のようにしか見えなくて、ホントにいつも読みづらいんだよな、この単語はいったい何だろう、フランス人にはこれが読めるのか?と疑問を抱えつつ解読しなければならない事態さえも苦にならない。
そして、日本とはまた趣の異なる切手の貼付。私のプチ収集癖を友人たちは理解しているので、いつもその時々の記念切手を貼ってくれている。今、こんな切手が販売されているんだ、素敵なデザインだな、どうしてこの切手にしようと思ったのだろう、何の記念なのかな?とあれこれ想像するのが楽しい。消印の日付を眺めていると、外国でこの日に投函されたものが、時間を掛けて私のところまで旅してきたんだ、と幸せな気分に包まれるのだ。
……という一連のお楽しみがめっきりなくなってしまったので、ヨーロッパの切手市で収集した使用済切手をご紹介。2月22日が近いので、今回はオールニャンズ。切手市ではジャンルごとに切手を分類して売っていたりして、アニマルジャンルのコーナーで見つけた。
小さな袋に数枚がざっくり入れられていて、下の写真のようにシートと単体を組み合わせたものもあれば、単体のみのものもある。私が購入した単体のみの袋には、‟100 DIFFERENTS(異なる100枚)”の記載があった。予想はしていたけれど、袋を開けて数えてみたところ、71枚だった。枚数は足りなかったものの、全て異なる種類だったので、私的には満足している。これ、100枚入っていなかった!と文句を言う人はいるのだろうか?そもそも、枚数を数える人っているのかな?私だけ(ではないと思うのだけれど……)?



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写真左上と右上:シートと単体がセットになっていた袋(左)と、その中身(右)。ギニア共和国や韓国、サントメ・プリンシペという中央アフリカの島国の切手が入っていた(私はこの国の名前をこの切手で初めて知りました)。
写真左下と右下:単体のみセットの袋(左)と、その中身(右)。100枚は入っていなかったけれど、71枚すべて異なる種類で、ブルガリア、アフガニスタン、タジキスタン、コンゴ共和国、ギニア共和国、ベナン、キューバ、ガイアナ(南アメリカ)、カンボジアの切手だった。