駆け込みマロンスイーツ
私は毎年秋になると、限定のマロンスイーツをチェックして、色々なこと(商品コスト・店舗所在地・私の重量増加状況などなど)が許す限り、欲望の赴くままにいただいている。最近は8月末くらいから出回ったりしているけれど、早いものだと数週間で販売終了となったりしていて、11月末ともなると、ピークは過ぎ去っている。1月末くらいまでいただけるものもあるけれど、12月以降の私はチョコレート商品に目移りしてしまっているので、一応昨日で今年の限定栗スイーツは終了、とマカロン状のもろい決意をしたところだ。今後、どうしても食したいマロンスイーツを目にしたり情報を小耳に挟もうものなら、私のこの意志はすぐ粉々に砕け散ってしまうことだろう。
薄弱な心意気ではあるものの、11月最終週、これで終いと駆け込みでラストを飾るにふさわしいマロンスイーツを資生堂パーラーでいただいてきた。
その名も『プリンセス♡パフェ~乙女の贅沢マロン~』。断るまでもないと思うが、ラストを飾るにふさわしいのであって、私には全くもって不相応なネーミングのシロモノである。私がもしあと30歳若かったとしても、だ。当然、口に出すのも気恥ずかしくて、注文の際は「こちらを……」とメニューを指差してオーダーした。
運がいいのか悪いのか、待ち時間なしで席に案内してもらえたものの、店内中央の4人掛け円卓テーブルに1人。私以外はカップルなり家族なり、2名以上で来店のお客ばかりで、私はそういった客層に囲まれる形で席に着いていた。で、パフェが運ばれてきたとき、その華やかな形状から嫌でも周囲の目を引いた。ううっ、注目されたくない!
「お待たせいたしました。プリンセス♡パフェ~乙女の贅沢マロン~でございます」
きゃ~っ、商品名を言わないで!恥ずかしい!!
マロンスイーツが食べたかったんです、決してプリンセスや乙女に憧れてのことではないのです!
と、心の中で言い訳をする。
大丈夫、誰もあなたには注目してませんから。
再度心中で開き直り、パフェをいただく。
さすが、このネーミングにしただけのことはある!フランス産マロンはグラッセやペースト、ムースに使用され、軽やかに仕上げているけれど濃厚な味わいで余韻が残る。和栗は熊本産と茨城産を使用し、ほっくりとした味わいがほっとさせてくれる。ドーム状の土台がメレンゲになっているあたり、モンブランのようでもある。器上部のデコレーションは、アントワネット時代の帽子とか、ドレスのドレープ・レース飾りを想像させた。器内部には、笠間栗を使用したクリームや、クレームシャンティ・キャラメルソース・チョコレートソース・ミルクジェラート・パンナコッタが上品な層になっていて、まさにゴージャス!最下部にフランス産マロンのグラッセがごろっと入っていて、最後までうっとり食べ進められた。
ネーミングの威力?
かつて、パティスリーSATSUKIのスーパーモンブランを一人で完食したとき、贅沢しちゃったなぁと微かな罪悪感が頭をかすめた。お値段もそうだけれど、一般的なプティガトーより大きく、アントルメと言ってもいいのでは?というサイズ感から、これを一人で食べちゃって良かったのだろうか……いう気分になってしまったのだと思う。こちらのパフェも贅沢だなぁと感じたものの、罪悪感はナシ。器の形状が一人用であるため、単独で食べてOKと思わせてくれたのではないかと想像している。しかも、こちらのパフェにはドリンクがセットになっていた。資生堂パーラーの他のパフェのお値段は、単品でこちらの商品よりもお高かったりしていたので、むしろお手頃。ドリンクはキャラメル風味のアイスティーで、キャラメル味は上部のクリーム部分だけだったから、さっぱりといただけた。
アサコ・イワヤナギのパフェを食べたことがないので(あるのは、今年コンビニで発売されていたアサコ・イワヤナギ監修のプティパルフェマロンくらい)、今後変動はあるかも知れないけれど、今回のプリンセス~は、今まで食べたパフェの中で一番美味だった。
締めくくりとして、大満足な一品に感謝!
上部写真左:前回『猫話~11月のNoel~』で書いていた、アディクトオシュクルの和栗のモンブラン。予約していたクッキーを受け取りに行った際、併せて購入。11月最終週に食した、もう1つのマロンスイーツである。和栗が幾重にも繊細に絞られているのに、自宅で箱を開封したとき、崩れていなくて感激!プラスチックケースに入っていたとはいえ、偏ったりせず、覆っていた上蓋にも全くくっついていなかった。どっしりとした見た目ながら、和栗ならではのホクホクとした優しい甘さで、ペロッといただいてしまった。
上部写真右:このサイト内『ショコラホリック、玉と引き換えにテリーヌが当たる』で書いていたラミーテリーヌに、今年新商品が登場。マロングラッセ&ラムレーズン。私の好きなマロンとラムのマリアージュ!さすがに再度当てるのは難しいだろうし、2回目を狙うほど図々しくもなれなかったので、こちらはお買い上げ。年末年始に家族とでもいただこうと思っている。