日帰り手術とモンブラン
モンブランシーズン、到来!
例年だと9月中旬頃からちょこちょこと手を伸ばし始めるのだけれど、今年は前のめりで既にいくつか秋の味覚を享受している。
ミニストップはご近所にないこともあって、滅多に利用しないのだけれど、今年は和栗のソフトクリームが発売されるというので、先週お散歩がてら立ち寄ってみた。‟プレミアムソフト贅沢和栗”のワッフルコーンを注文。イートインの商品を頼んだことがなかったため、
「テイクアウトですか?」
と尋ねられたとき、反射的に「はい」と答えてしまった。
これ、お店の外で食べる場合はテイクアウトでOK?でも、他の人は何も言わずに受け取って外で食べているような?
しばし待っていたら、紙袋で商品を渡された。ソフトクリームの上にカバー(コーンでできた食べられるもの)を被せ、倒れないように台に乗せたうえで、紙袋に入れてくれている。
ご丁寧にありがとうございます。すぐ、食べるつもりでした……。お手間を掛けさせてしまってスミマセン!
入口付近で食べるのは気が引けたので、数分歩いた場所にある竹林公園でいただいた。
ちょっと暑かったけれど、お天気も景色も良いところで食べられて良かった!店員さんに手間を掛けていただいた甲斐があったというものだ。
そんな先週に続き、今週も贅沢してしまった私。
今日は日帰り手術をした自分を甘やかすため(今日に限らず、いつも適当な理由を考えては自分を甘やかしてしまっているけれど)、デパ地下のモンブランを買うと決めていた。
話が逸れてしまうが、日帰り手術についてちょっと触れておきたい。
先日の健康診断で、胴囲を測るため「おへそを出してください」と言われたとき、私は自分のほぞに僅かな違和感を感じた。
何だか出っ張っている?
気になったので、自宅に戻ってからまじまじと観察してみた。
窪みの内側からブヨンと2cmほど皮膚が膨らんでいて、真ん中にポツンと、シャープペンの芯でつついた程度の大きさの黒点があった。
炎症や痛みはないものの、体幹中央によく分からないできものがあるということが落ち着かず、‟おへそ できもの”で検索してみた。
ヒットしたのは、アテロームという良性の腫瘍で、この腫瘍にはへそと呼ばれる小さな黒点の開口部があるのが特徴のようだ。私のできものの黒点は小さいけれど、症状が一致しているように思われる。‟へそ”違いで症状が分かったことはラッキーだった。もし、腫瘍ができたのが身体の別の部位だったら、私は気付かずに放置していたかも知れない。
早速、アテローム手術の口コミを検索して、良さそうなクリニックに予約を入れたのだった。
そして本日、「初めまして」で手術。親知らずのときは初診での抜歯ができなかったけれど、アテロームは初診で手術を行っている病院がこのクリニック以外にもあるらしく、日帰り手術が一般的なようだ。
ベッドに横になっているとき、看護婦さんに
「麻酔ってどんな感じですか?」
と確認したところ、
「歯を抜くときに使用する麻酔と同じような感じで、チクッとするくらいですかね~」
と言われた。
私は数か月前の親知らずの抜歯を思い出し、それなりの痛みを覚悟した。
で、いざ先生に麻酔をしてもらったら、今まで刺されたどの注射針よりも痛くなかった!20代か30代前半に受けた健診で、ベテランらしき看護婦さんに採血してもらったあと、同じことを思ったけれど、それが今日上書きされた。
麻酔後の手術は、7・8回皮膚を引っ張られるような感覚があり、数分後に
「はい、もういいですよ」
と先生から声を掛けられて終了。
切開と縫合がこの短時間で行われたの?
親知らずの抜歯のときは、麻酔を除けば術後の痛みもなかったので、ゴッドハンドだわ~と感激した。今回はほぼ無痛(現時点で)なので、神越えである。メルベイユ~(驚異的に素晴らしい)!
さてさて、手術も無事終わったことだし、モンブランを買いに行くぞ!とクリニックを出たら、いきなり雨。でも、大丈夫。長傘とレインブーツで来てるもんね~!リュックにしたのは、傘とケーキ箱を持つためだし!
8月28日に小布施堂の朱雀モンブランが販売開始されていることを知り、それを目当てにデパ地下へ急いだ。絶対並んでいると思ったのだが、列どころか、ショーケースを眺めている人すらいなかった。私としては有難い限りである。
人がいないのをいいことに、店員さんに色々と尋ねる。
「朱雀モンブランは、長野本店で出されるものとは違います」
「モンブランは、中は生クリームだけで外の栗あんにも生クリームが入っていますが、朱雀モンブランは中にカシスや渋皮栗が入っていて、外は栗あんのみ、生クリームは加えていません」
本店の‟栗の点心朱雀”と今回の朱雀モンブランが異なることは分かっていたが、長野のえんとつで提供される‟モンブラン朱雀”が朱雀モンブランだと勘違いしていた私(モンブラン朱雀は中にアイスクリームが入っているそう)。長野2店舗の商品とは別物であるというのは残念だが、現地へはなかなか足を運べないので、1ついただく。横に陳列していた‟栗の山”も美味しそう。賞味期限を確認したところ、1日(明日まで)ということだったので、じゃあ今度にしようかなと思ったら、
「こちらは3日間限定での販売となります」
と、心の内を見透かされたような一言に、じゃあそちらも……と併せて購入することにした。
「先ほどお伝えしておりますように、朱雀モンブランの外の栗あんには生クリームが入っておりませんので、非常に崩れやすい商品となっております。平らにしてお持ち歩きくださいませ」
はい、かしこまりました!
実はあと3日もすれば、別のデパ地下のイートインで作りたて朱雀モンブランの販売が開始されるのだが、平日は仕事だし、次の週末はさすがに長蛇の列を覚悟しなくてはならないだろう。並ばずに朱雀モンブランをゲットできる機会なんて、そうそう巡ってこないと予想されるので、今日買いに行こうと決断して良かった!
話は戻って、術後に先生から
「膨れている部分の一部はヘルニアなので、アテロームの部分だけ切除しました」
と説明を受けた。
ヘルニアとは?と確認したところ、
「いわゆるデベソですね」
と淡々と告げられ、手術とは別に驚愕。
はっ?私、今までデベソではなかったはずですが?
先生からはそれ以上の説明がなかったので、帰宅後調べてみたところ、成人してからこの‟臍ヘルニア”になるのはそう珍しいことではないようだった。また、アテロームと同じで、治療方法は手術しかないらしい。今日先生が手術しなかったということは、私のヘルニアはさほど深刻ではないということなのだろう。
ちなみに、臍ヘルニアになりやすい人は
・生まれて間もない乳児
・妊娠している
・太っている
・腹水がたまる疾患がある
とのこと。
私は乳児じゃないし、妊婦でもない。
先日の健診でBMIが18.1、人生初の低体重と診断されたから、太っているわけでもない。
……ってことは、腹水がたまる疾患があるの?
モンブランにうつつを抜かしている場合ではなかったのかも、と神獣を蓄え大きく膨らんだお腹の真ん中、ガーゼで塞がれたほぞを見つめている。