ある日、エアコンなし・プールありの不思議

フランスでエアコン普及率が低いことは、情報だけでなくホームステイや独り暮らしで実感してきた。今回のパリオリンピックが環境に配慮した大会であると聞いたとき、さすがに選手村にはエアコンを設置するだろうと思っていたのだが、予想外れで設置されなかったようだ。
パリの緯度が北海道と同程度だからといって、8月はやっぱり暑い。選手のプライバシー等を考慮すると、選手村の建物はいくぶんか閉鎖的な構造になっているのではないか。防犯面から、窓やドアを開けっ放しにするのはためらわれることだろう。そのような環境でエアコンなしは厳しいだろうな、と勝手な想像で選手の体調が気になってしまった。
エコを謳ってはいるものの、アスリートの大会なのだから選手のコンディションを第一に考えたほうがいいのでは、とモヤモヤしていたら、各国から苦情が多数寄せられていると報道でも取り上げられていた。選手村に滞在しないことにした国まで出たことで、フランスも移動式エアコンの設置を各国に許可したそうだ。とはいえ、代金は各国それぞれで負担するとあって、設置できる国とできない国があり、環境面に差が生じていることが問題視されているようだ。
日本では、寒いくらいに冷房温度を設定している会社があり、私もそういった企業に勤めていたことがある。設定を自分で調節できるオフィスにいた頃、暑がりの人が19度とか、ひどいときには13度なんぞにしているのを、私は20度台に上げていた。大抵の場合、気付くとまた設定が下げられているので、上げ下げの攻防が続いたものだ。夏に寒いくらいの室温生活に慣れている人が、今回の選手村へ滞在することにでもなったら、自己負担するからエアコン入れて!と言いそうである。

エアコンはないけどプールはある、というご家庭がフランスには存在する。私の知り合いだと、ラシェルやRDP家がそうだ。
※下左:ラシェル宅のプール。滑り台が設置されているデッキはご主人のローランドの手作り。
 下右:室内からの眺め

私が小学生の頃、担任の先生が
「日本で家を購入するくらいのお金があれば、オーストラリアではプール付きの家が買えます」
と話してくれたことがあり、すご~い、豪邸に住めるんだ!と驚いた。
どうやらそのオーストラリアでも、エアコンなし・プールありのお宅が存在するようなので、フランスに限ってのことではないようだ。
当時の私のイメージでは、プール付きの家=一部の富裕層の人たちが暮らす場所、というものだったので、プールはあるのにエアコンがないの(プチブルのうちにだってエアコンは付いているのに)?と不思議に思ったものだ。
成長過程で、日本の常識が海外のそれと同じではないしその逆もまた然り、と理解するようになるが、それでも、プール付きの家に住んでいる人がいると聞くと、頭の中では豪邸やシャンパン片手に浮き輪に乗っている人々を想像したりしていた。
ちなみに、私の友人であるウィーン在住のマーティンのご自宅には、エアコンもプールもある。実際にお邪魔して拝見しているので、先述のように私が想像してきたのはただの先入観だったと恥ずかしく思う。
ただ……。マーティンは毎年家族とフランスのサン・トロペ近辺でヴァカンスを過ごしているのだ(今年も現地から写メを送ってくれた)。サン・トロペ=高級リゾートでセレブの避暑地と言われているが、私が現地で感じたのは、そういう場所もあり、そうでもない区域もあるということ。
プール付きの家に住む人と同じく、サン・トロペにも様々な人がいる、と理解しているはずが、またしても頭の中は先入観で占められているのである。
※下の写真は、このサイト内『ある日、女3人ファーム旅』で訪れた、グルノーブルの農場ホテルに設置されていたプール。シーズン外のため、覆いが掛けられていた。プールの話題なので載せましたが、手前のサビニャンコ(ファームで飼われていた)を撮影した際に写っていただけ、というのが本当のところ……。

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