名前のないチョコスイーツ
今週末、母が訪ねてきた。こういうときはいつも、キャリーカートいっぱいに手料理などを詰め込んで持参してくれる。私も母を倣ってもてなそうと、ときどき簡単な手作りスイーツを用意したりする。兄のタイ土産のチョコレートがたくさんあるからそれをアレンジしてみようと、母が来る前に準備を始めた。ファットブルーム現象を起こしているものがあったため、それを湯煎して使うことにした。チョコドーナツと粒上のマロンがあるから、それを砕いて一口サイズに丸め、チョコを絡めてプチケーキのようにしてみようか?アーモンドミルクと一緒に湯煎してみるのはどうだろう?
前日のうちに仕込んでおけば良かったのだが、平日仕事の後はどうもダラけていけない。せめて、どんなものにするか考えておけばいいものを、適当に作り始めてしまった。
※使用した材料は下写真の4つのみ
まず、ボウルに入れたチョコドーナツ1袋と粒マロン(6粒くらい)をざっくり砕く。保存袋に入れて麺棒で叩くという手もあるのだが、加減によっては袋が破れてしまったり(私の力のせい?袋が薄いせい?)、中身がペトッと平たくなってしまうことがある(ゴロゴロ感を残したい)ため、私はボウルで砕いている。かつて、イギリス人シェフのジェイミー・オリヴァーが自身の料理番組で、袋に入れた中身の砕き方として、
「袋の口を縛ったらテーブルに叩きつける」
とワイルドな方法をやってのけていた。私は適当だけれど、これを見たときは袋の中身やテーブルが傷まないだろうかと気になって、彼が何の料理を作っていたのか忘れてしまった。
次に、別のボウルに割り入れたチョコレート(半枚)にアーモンドミルク(ボウル底が隠れるくらい)を加え、湯煎する。普通は、大きめの鍋などで温めたお湯の上に、鍋より小さめのボウルなどを入れて湯煎するところ、私は小さめの手付き鍋の上にすり鉢状になった下すぼみのボウルを入れて対応した。大きめの鍋の上に小さめのボウルだと、ゆらゆらするからずっとボウルを押さえておかなくてはならない。私が今回やった方法だと、ボウルを押さえなくていいことやお湯が少なくて済むこと、また、ボウルが蓋代わりになってお湯が冷めにくいので、早く湯煎できるというメリットがある。もちろん、作るものによっては一般的なやり方にするのだけれど、今回は母と私の2人分なので、ちゃちゃっと対処したかった。
最後に、砕いたチョコドーナツと粒マロンを湯煎したチョコに加え、全体が馴染むように混ぜる。型に流し込み、粗熱が取れたら冷蔵庫へ入れて完成!
でも、な~んか達成感がない。こういったものではなく、別のものを作りたかったような?
そうだ!今更だけれど、チョコドーナツにアーモンドミルクをしみ込ませ、砕いた粒マロンを乗せてから、湯煎したチョコを流し込んだ方が良かったのでは?
うぁぁぁぁ~!
完成形を考えないまま作った自分のせい。材料を無駄にしてしまった気がして、まだ食べてもいないのに凹んだ。
こうして私は、名前のないチョコスイーツを母に提供したのだった。
味は……。とにかく甘かった!
次回は完成形を考えて、達成感を得られるスイーツを作ってやるぅ~!!
※下写真は愛媛産の甘平。今回母が持参してくれた。フラベド(外皮)の薄さや覆われている維管束(白い筋)のまとわり具合、じょうのう(中身の粒の皮)の厚さや砂じょう(粒)の弾力は、一般的なミカンをそのまま大きくしたような感じで、私のこぶしより一回り大きい(直径10~12cmといったところ)。このサイト内の『微笑みの国のチョコ三昧(雑念・煩悩まみれ)』でご紹介した紅まどんなのように、むいている最中に果汁が滴り落ちるということはなく、甘さのなかにほんのりと酸味が感じられる。