Paques(復活祭)のイベント
キリストの復活を祝う祝日、Paques。
移動祝日のため毎年日付が変わり、3月~5月のいずれかの日曜日となっています(私がインターンで滞在していた2005年は3月だったように思います)。
Paquesは家族で過ごす風習があり、ホームステイしていたRDP家においても、パリの大学に通っている長女と次女が戻ってきて、家族全員でお祝いしていました。親戚でもなくクリスチャンでもない私も家族同様に祝福を受け、うさぎをモチーフにした飾りや卵型のチョコを頂いたりしました。
この日はお互いに贈り物をしたりするようで、その話を運よくインターン高校の教員から事前に聞いていたため、私もRDP家の皆さんにチョコを贈ることができました。
RDP家は敬虔なクリスチャン一家なので、ミサにも出向いていました。この家にはお掃除やお洗濯をしてくださるお手伝いさんがいて、その方も連れだってミサに参加するとのこと。私はさすがにミサには行かないので、そのときばかりはお留守番していました。
家族全員のイベントとして、卵を探すゲームも盛り上がります。本物の卵を使うこともあるようですが、最近は卵型のチョコを使用することが多いようです。大人が家の中や庭などに卵を隠し、子どもがそれを探すものですが、大人は探されにくい場所や手の込んだ隠し方をして見つけられないように・子どもは他の子より多く見つけられるように奮闘します。RDP家は大きなお屋敷と庭を持つお宅だったので、隠すのも探すのも張り合いがあります。屋内だと広間の花瓶の中や大きな食器棚のお皿の裏・裁縫用の小物入れなど、屋外では花壇の隙間や木の洞・暖炉用のまきの間など、隠し場所は豊富です。これだけ広範囲だと、見つけられなかった卵がずっと残っていることも。子どもは見つけた分だけ食べることができるのですが、たまに前年(あるいは数年前)に隠した卵が見つかり、見つけたけど食べられない!と子どもは一喜一憂。そんな子どもの様子を見て、周囲は笑ったり励ましたり。何ともほのぼのとしたゲームです。
高校で司書の仕事をしていたラシェルは何でも手作りするとても家庭的な人で、ご主人のローランドも大型家具を作ってしまうくらい器用な人でした。娘のベリンもご両親に負けず手作業が得意で、Paquesの時は私に、型抜きして色付けしたセトモノの箸置き(的な置物)をプレゼントしてくれました。家の中も、殻にペイントした卵やうさぎの飾りで素敵にデコレーションされていました。ラシェルやローランドも、ベリンのために卵型のチョコを毎年工夫して隠しているとのこと。たまに猫のヨーヨーが何かで遊んでいると思って見てみたら、探し出されなかったチョコだったりする、と楽しそうに話してくれました。
日本でもPaquesに関するグッズが一般的に出回るようになってきましたが、ご家庭や学校で、この卵探しゲームが流行る日が来るかも知れませんね。