秋の調べ

さむ~い!
先週末の半袖スタイルから一転、街中は冬場の装いである。
もう何年も、春や秋が短いなぁと感じているが、気温が10℃以上も変化すると、服装も身体もすぐには追い付かなくなっている。歳を重ねてからは特に。
夏の湿気や冬の乾燥が中和され、程よくしっとり落ち着いた雰囲気が漂う秋は、興味のある物事にじっくりと向き合いたい気分になる。今のところ、食に関することに偏っているような?

というわけで、週末はジプシースウィングのライブへ。
cozycaravan(ライブの様子はこちら)と出会ったのは数年前、友人とランチに立ち寄ったカフェ・ミミ(『今週末の過ごし方~ちょこっとウサギ繋がり~』でご紹介しているカフェ)でのことだった。投げ銭ライブが開催されると聞き、食後もそのまま残って聴いていこうということになった。そのときはギターの男性3名と、ヴァイオリンの女性1名での演奏だった。
常連の皆さんのように合いの手を入れる人がいたり、ゆったりと聴いている人がいたり、本を読んだりパソコンに向かっている人がいたりと、みんな思い思いに過ごしていた。私と友人は久し振りの再会で、積もる話もあったけれど、結局ライブが終わるまでの数時間、ほとんど喋らずに聴き入っていた。お店を出たあとも、余韻を残すかのように駅までの道のりをお互い黙って歩いていたが、
「こういう時間もいいものだね」
と満ち足りた気分で別れた。その後、友人とは再度このライブを聴きに来ている。
ミミさんでは毎月第二土曜日の15時からcozycaravanのライブを行っていて、5名のメンバー(前述の4名にコントラバスの男性1名)全員がいらっしゃることもあれば、他の演奏予定が入っている方が不在のこともある。今回は久し振りに全員揃ってのライブとなり、定番のジャンゴロジーや、秋ということで枯葉なども演奏された。最後の2曲は今まで聴いたことがなかった気がする(題名を忘れました……)。持ち曲(?)が多い印象があるなか、その場で曲を選んで、全員がすぐセッションできるのはさすがだなぁと毎回感じている。曲に合わせて踊ったりする常連の方もいらっしゃり(メンバーのお子さんが加わることもあり!)、自由な雰囲気がまた楽しい。夜だとちょっと構えてしまうこともあるライブが、ミミさんでは日中に行われるので気軽に参加できる。カフェオーナーの大島さんと奥様のナタリーさんが用意されている、趣向を凝らしたスペシャルプレートも足を運びたくなる理由の一つだ(また食に寄ってる……)。

インターンや旅行で滞在した海外では、ストリートや駅などでさまざまな音楽を耳にした。
パリの街中などは申請が必要らしく、勝手に演奏できないそうだ。そのため、地下鉄の車内で突然演奏が始まったかと思ったら、1駅か2駅の区間だけ演奏し小銭を受け取っては、そそくさと次の電車へ移るミュージシャンもいた。街中でも電車内でも、誰かしらが足を止めたり耳を傾けたりしている。私もよく立ち止まっていたが、Pont des Artsで夕暮れのセーヌをバックに誰かが演奏していたときは、ついたそがれてしまった。川の流れは、感傷やノスタルジーを誘発しやすいと思うが、季節が秋だとその傾向が強まる気がする。
12年前の10月に中欧を旅行したときも、ストリートミュージシャンに釘付けになってしまった。陽射しのある明るい日中だったにも関わらず、その場をセピア色に感じてしまうのは私だけ?!
秋の調べは、心をふわふわと漂いながら流れていく。

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