猫話~フランスで出逢ったニャンズ(クイズもあるよ)~

新居での生活も2か月が過ぎた。以前の住居界隈では家・外それぞれの猫ちゃんを見かけたものだが、こちらでは姿どころか鳴き声すら耳にすることがない。大通りが近いから、人や車といった危うさを感じるものを避けているのかも知れない。

フランスに滞在していた頃、パリや地方で出逢ったニャンズは世間慣れしているというか、堂々としていたように思う。都会猫はアパルトマンの窓辺や店先、狭い路地裏でこちらを気にする様子もなく居座っていたし、小都市猫は古跡や野原などで寛ぎ、こちらが近寄ると身体を触らせたり、その場を離れるにしても一目散に逃げるといったことはなかった。人間から危害を被ったことがあまりないのかな、という態度。フランスで飼育放棄されるペットが毎年10万匹いるという報告(このサイト内の『猫話~蚤の市での出逢い~』でちょこっと触れています)からすると、人への警戒心がもう少しあってもよさそうな気がするので、たまたま人懐っこいニャンズと出逢ったのかも知れない。

私が最初に触れ合ったフレンチ・ニャンは、ホームステイ先のバブーだ(詳細はサイト内『猫話~ビッグママ宅のバブー』にて)。残念ながら、バブーともステイ先ともちぐはぐな関係になってしまったうえに、我が家がもらい火で火災に遭い、当時の写真が焼失してしまったため、記憶が曖昧になってきている。長毛猫だったことは覚えているのだが、毛色とか目鼻立ちはぼんやりとしか思い出せなくなった。

続いてのニャンは、初めての独り暮らしとなったステュディオの左隣に住む女性が飼っていた猫だった。キジトラとアメリカンショートヘアのミックスといった感じの姿と毛色で、尻尾が長く、細身で美形なうえ、窓を開けたら部屋に入ってくるなど、好奇心も旺盛。猫好きにはたまらないけれど、悪さをしようとする人に捕まったりしたら大変だから、少しばかりは野生が残っていた方がいいのでは、と心配にもなった。
この写真を撮った日以外にも部屋に入ってきたり、私の部屋のベランダでひなたぼっこをしていたりと、ニャンの方から近寄ってきてくれたので、1か月の滞在で数回ほど触れ合っただけの割には印象に残っている。

独り暮らしののち、別の都市でホームステイに切り替えて1か月過ごしたときのご家庭にいたのがジプシーだ(詳細はサイト内『猫話~ローラ宅のジプシー』にて)。黒と茶が半々の長毛猫で、キジトラとサイベリアンもしくはノルウェージャンフォレストキャットのミックスではないかと思う。
髭が長くキリッとした顔立ちなのに、食卓の料理に手を伸ばしてはローラにセルビエット(ナプキン)で追い払われるという、茶目っ気もあるニャンだった。
私の部屋にもちょくちょく遊びに来てくれて、ベッドや絨毯の上では警戒心を解いた姿で過ごしていた。

インターン期間中にホームステイしていた2家庭では、猫は飼っていなかった。ヴァイキング家族は犬を飼っていて、RDP家には動物はいなかったが、末娘が乗馬をしており、専門施設で馬を飼育していた。一度だけその馬に一人で乗せてもらったことがあるが、末娘に
「もう降りてもらってもいい?この子(馬)が疲れてるみたいなの」
と困り顔で言われてしまった。
確かに、鼻息が荒かったような?
5分くらいの乗馬だったのだが、慣れていない人を乗せた馬によくあることなのか、私の乗り方が悪かったのか、理由は定かではない。私はなぜだか馬との相性が良くないようなので、私のせいだとすると悲しい……。
そんなわけで、インターン期間中に触れ合ったニャンズは教員仲間や生徒の猫たち。
ラシェル宅のヨーヨー(詳細はサイト内『猫話~ラシェル宅のヨーヨー』にて)は短毛の黒猫で、猫同士のケンカか何かで左鼻の穴から口にかけての肉が削げ落ちていた。常に威嚇しているように見えてしまうが、性格は穏やかで、私がラシェル宅に泊まった際はよく部屋に遊びに来てくれた。
大晦日から新年にかけてお邪魔したとき、ラシェルの娘ベリンが、眠っているヨーヨーの身体に飾りを乗せた。
「ヨーヨーも新年のお祝いをしようね」
ベリンからそう言われたヨーヨーは、身じろぎもせず飾りを乗せられるがままにしていた。

チューターのマリー宅には、カネルとニノンという、2匹のニャンズがいた。カネルは長毛で縦にも横にも大きかった(太ってはいない)ので、メインクーンかも知れない。ニノンは短毛のサバトラミックス。マリーはこの2匹を溺愛していたし、他のニャンも可愛がる猫好きだったので、インターン期間中に我が家のサスケが亡くなったと知ったときは、
「うちにも猫がいるから、あなたの嘆きを理解できるし、本当に残念だわ……」
と一緒に悲しんでくれた。

日本クラスを選択していたジェローム宅に招かれたときに出逢ったのは、短毛黒猫のレア。同じ短毛黒猫のサスケがこの1か月前に亡くなっていたこともあり、私は哀傷再び、で複雑な気持ちだった。
レアは家族の中心で大はしゃぎしていたかと思えば、椅子の上や部屋の片隅でまったりするなど、子猫らしい態度でジェローム一家を和ませていた。

そのほか、出先で出逢ったシャ・ソバージュ(le chat sauvage:野良猫)たちをご紹介。カメラ目線を決めてくれるのは、物怖じしない外国気質がニャンズにも備わっているから?

最後に、ちょっとしたクイズを。この写真の中には、何匹の猫がいるでしょう?

正解は、赤丸で囲ったところで、3匹。
黄丸は、私が猫だと見間違えた箇所。右上は、黒毛の手(足)をダランとさせて横になるキジトラがいるように見えたのだが、手(足)に見える部分は金具、身体に見える部分は石が剥がれたあとだと思われる。左上は、黒猫が背中を丸めているように見えたが、石に開いた穴か何か?猫好きには、ニャンではないものまでそう見えてしまう(のは私だけ?)。

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