木のぬくもり

部屋をすっきりさせたいな、と思い、目に映るモノを少なくすることにした。容量はさほど減っていないものの、気持ち程度は整った室内を眺め、満足している。
フランス人イラストレーターのイザベル・ボワノさんが、暮らしの中に取り入れているお気に入りのものを紹介する番組で、木工品を取り上げていた。ナチュラルなものにはそれが持っていた生命力が宿るのか、加工されたあとも温度を感じる。木のぬくもりはこれからの季節にいいなぁと思い、片付けついでにしまっていた器類をゴソゴソと探してみた。
こんなにあったっけと自分でも驚く。20年近くの間に、様々な種類を揃えていたようだ。イザベルさんのように手作りのものばかりではないが、それぞれ気に入って購入した。

実家を離れたとき、一人なんだから好きなものにしたいよねぇ、と身の回りの品々をナチュラル素材のもので揃えた。ところが、私の暮らす地区は湿度が高いようで、マンションの契約書にも湿気に関する注意書きが添えられていた。普通に風通し良くしておけば大丈夫だよね?と気楽に考えていたが、しばらくして、籐のかごなどにカビが発生した。除湿剤や室内乾燥機まで購入して対策を講じてみたにも関わらず、カビの威力は凄まじく、泣く泣く手放したものもいくつかあった。
木製品も、水気には弱い。もともと食洗機は使わないし(実家にはあったけれど家族の誰も使わなかった)、洗い物をためておくのはG嫌いとして絶対にありえないので、使用後すぐに洗浄することは苦にならなかった。しかしながら、この湿気を懸念した私は、揃えてきたお気に入りの出番を控えめにしてきた。乾燥させ過ぎて木目が割れた器もあり、これらのぬくもりのある食器はいつしか扉の奥にしまい込まれてしまった。
現在の住居は、かつて暮らしたマンションからそう遠くないため、こちらの契約書にも湿気に関する注意書きが添えられていた(ひょっとして地区に関係なく、注意書きがある?)。でも、以前よりはこもるものを感じない。乾燥機も必要ナシ。これは、お気に入りの出番なのでは?!

番組の中でイザベルさんは、作り手から直接買い付けた木工品を何に使おうかワクワクしていた様子だった。私も今、ウキウキしている。これからはもっと色んな用途で使うようにしよう!
大きな四角い平皿は、前菜の盛り合わせやカナッペに丁度いい。
サラダボウルには、野菜やタブレをこんもりと。果物受けにしたり、切り花を入れても良さそうだ。
具を大きめにカットしたシチューを屋外でわんぱくにいただくなら、やっぱり手付きボウルだろう。
食後にはコーヒーをゆったりと挽いて、立ち上る豆の香りを愉しもう。
デザート皿にはクッキーやチョコレートもいいけれど、羊羹やお饅頭なんかもマッチするんだよね。
さて、年末年始も近いことだし、友人と連絡を取ってみようかな。
家に招いたら、木のぬくもりを通して、一緒に穏やかに過ごしたい。

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