幸運を届けるスズラン
四葉のクローバー・ナナホシテントウ・馬蹄。偶然見つけたり、飾ったり身に着けたりすると幸運が訪れるというラッキーモチーフは世界各国に多数あります。
フランスでは、5月1日に相手の幸運を願ってスズランを贈る風習があります。この日は街の至る所でスズラン売りが道端に立ち、大人から子どもまで、皆が誰かを思ってこの白く連なる可愛らしい小さな花を買い求めます。
母の日やバレンタインデー・誕生日など、特定の相手に花を贈って気持ちを伝えるイベントとは異なり、この日のスズランはもっと気楽な感じです。売られている状態も、新聞紙でささっとくるまれただけだったり、ゴムで止めただけだったりと、簡易的です。両手にたくさん抱えて買って行くスーツ姿の男性や、1束を大事そうに受け取る小さな女の子、お互いに買ってその場で交換している若い女の子たちなど、贈る相手も様々。売る人も買う人もみんな幸せそうに笑っていて、こちらまで温かい気持ちになれます。
映画『クリクリのいた夏』では、パリ・マレ地区の名前の由来となっている沼地でスズランを摘み、街で売る様子が描かれています。自生している花を買ってくれるのだろうか?などと考えてしまったのは、自分の心が汚れてしまっているから?(汗)
ぬかるんだ土地やコンクリートの地面にも根を生やし花をつけるスズラン。色・形・状態が綺麗に保たれているお花屋さんの花ではなく、たくましく可憐に咲くこの花が幸運のモチーフになったのは、どんな状況でも自分らしく開花できるように、という願いが込められているのではないかと勝手に想像しています。
私もインターンをしていたとき、スズランを頂く機会がありました。高校で司書をしていたラシェルがくれたのですが、
「1つの茎に13個ついているとよりラッキーなのよ」
とのこと。でも、これがなかなかない!スズランを見かけるたびに数えてみるのですが、今まで一度も出会ったことがありません。
というわけで、こじつけではありますが、13個【咲いている】写真を載せることにしました。白い花だけ数えれば、13個……。
皆さんに幸運が届きますように!