ショコラホリック、渡来品あるあるに得心せず

今年は12月に入った途端、忘年会が催されているらしい。コロナ禍で宴会を控えていた人たちが、「久し振りにぱぁ~っとやりましょう!」と席の確保に動いたようなのだが、考えることは皆同じで、年末間際はすでに予約で一杯。仕方なく、日程が前倒しになっているそうだ。私が勤めている会社の社員さんたちも、先週忘年会を開いていた。今年はクリスマスイブが週末なので、なおさらコロナ禍以前の賑わいが戻っていることだろう。

子どもの頃から私はクリスマス時期になると、いつも心躍らせていた。歳を重ねてからは友人や家族と一緒に過ごすわけでもなく、自分だけの予定を入れるでもない。それでも、ショーウィンドウに飾られた、たくさんのプレゼントを積んだそりに乗るサンタさんだとか、クリスマスディナーのテーブルセッティングだとか、あるいは駅前の巨大なクリスマスツリーだとか商店街のイルミネーションだとか、街中の至る所で見られる包まれるような温もりの空間に、私は毎年惹かれているのである。
寂しいといえばそうなのか?それは、本人の捉え方次第で、そういうときもあれば、そうでないときもありまして。
そんな私なので、12月に何か予定を入れて誰かと過ごすことになったとき、高揚感の共有、つまりは一緒にワクワクしましょうよ、という気分になる。とはいえ、無理やり巻き込むのは本意ではないので、相手が困らない程度の些細な計画を企てる。残らないものであればいいのではないか、というありきたりな発想で、私は昨年、定期的に訪れているカフェの皆さんにチョコレートを差し上げた(完全に自分の嗜好である)。
そして今年も、店で毎月行われている投げ銭ライブの日に昨年と同じ計画を実行することにした。クリスマスには2週間ほど早いけれど、今年もライブ楽しかったですね、来年もまた盛り上がりましょう、という意味合いも含めて渡せばいい。昨年は席数+10くらいを用意して少し余ったから、今年も同じ程度に考えておけばいいだろう。
というわけで、私は目ぼしいチョコレートを探すべく、海外輸入食品を扱う店舗に出向いた。昨年は日本のチョコレートにしたから、今年は渡来品にしようと思ったのだ。個包装のボンボンショコラを1人2個ずつ、30セット弱用意したい。さまざまな国の輸入チョコレートが棚を埋めていて、迷ってしまう。とはいえ、それなりの数になるので、私はリンツ600gとバルビエーリ1kgに目をつけた。リンツにはご丁寧に、‟600g(約50個)”と記載されていた。
う~ん。50個だとちょっと足りないなあ。メーカーは異なるけれど、チョコの形状も包みの大きさもほぼ同一だから、600gで50個ということは、1kgだったら70個くらい入っているってことだよね?
フレーバーはどうだろう?リンツはミルク系が3種とエキストラダークの計4種類。バルビエーリも4種類で、全てミルク系のフレーバーだった。私はダークチョコが一番好みだけれど、差し上げるときはミルクが一番無難だよねぇ。用意する数のこともあったので、今回はバルビエーリを選択したのだった。

自宅で早速、個数を数える。良かった!予想通り、ぴったり70個。
だがここで、私は‟わかっていたけど得心できない”あるあるな事実と向き合うことになる(大袈裟だな)。
海外の袋菓子などで、数種類のフレーバーが混在しているとき、どうしてこんなに個数差が出るの?!
今回のバルビエーリでは、紺が25個、濃桃が19個、薄桃が18個、そして緑が8個だったのだ(下の写真で個数を数えた方、そう、1個ずつ少ないじゃないかと思ったあなた、それは私が1種類ずつ味見をしたから!)。
緑は紺の3分の1ですよ?もう少し均等にできなかったの?!
よく分かっている。これは昔からあるあるだった。分かっちゃいたのだ。いたのだが~!
2個ずつセットしようと思っているのに、極端に少ないフレーバーがあったら同じような組み合わせにしかできなくて、なんかつまらないじゃないか(そこ?)!
複数のフレーバーがベルトコンエアーか何かでザザ~っと流され、下に設置された袋になだれ込んで、1kgになった時点で「はい、完了」と閉じられるのでしょう、たぶん(知らんけど)。
これが日本だったら、4種類のフレーバーを1kg(70個)に詰める場合、2種類ずつ17個と18個になるのですよ、ほぼ確実に!たま~に、3種類×17個+19個みたいなことがあったりもしますが、1・2個の差でしかないわけで。個数設定された機械で袋詰めしているのか、手作業なのか、こちらも知らんのですが、日本社会の良くも悪くも横並びの姿勢を、渡来ボンボンショコラに限っては見習って欲しいものです!

……熱くなるのも馬鹿げているような取るに足らない事柄でスミマセン。でも、ラッピングしているとき、な~んか3種類しかないみたいな組み合わせだなぁ、もらった人も似たり寄ったりの中身だったらあまりワクワクしないよねぇ、まあでも、緑が入っている袋に当たった人はラッキーってことで、などとテンションが下がり気味になったのだった。
来年もこの計画を実行する場合は、満遍なく入っている日本製ボンボンショコラの方が楽しめるかな。代わり映えしないとつまらなくなっちゃうし、そんなちまちました愉悦ではなく、もっと大きな企画を考えるべき?

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