オレオレ詐欺再び?浦和警察署&オーストリア
ここ数日、新宿警察署の代表番号から詐欺の電話がかかってきたというニュースを見聞きしている。手口はそこまで巧妙になったのか!ひょっとして、かつて私の携帯にかかってきた電話も詐欺だったりした?!
電話番号の下3桁が110になっているのは警察、ということを私が知ったのは、2015年頃のことだった。
朝の5時になったばかりくらいの時間帯に、突然枕元の携帯が鳴った。こんな時間に電話とは、家族に何か緊急の事態が起きたのかも知れない、と思った私は、すぐに表示されている番号を確かめた。
それは家族のものでも登録しているものでもなかった。普段の私は、登録していない番号の電話には出ないことにしている。しかしそのときは、非通知ではないし怪しい番号でもなさそうだから、もし火急の要件だったりしたら大変、と出てみることにした。
浦和警察交通安全課のKです、と電話口で若い男性が名乗り、続いて、あなたがこの電話番号の使用者ですか?いつから使ってますか?などと質問された。
私にしてみたら、住むどころか確か行ったこともなかったと思う浦和の警察官が、私の電話番号の使用履歴を、こんな朝っぱらから聞いてくるって、一体どういうことなのさ?!という疑問や憤りをそのKにぶつけてしまいたかった。とはいえ、警察官に楯突くのは得策じゃないと判断し、私が10年くらい使用している番号です、と答えたのち、どうしてですか?と返してみた。
Kは、私の番号を別の人が使用していると思っていた、その人は男性だが、あなたは誰かと一緒に住んでいたりするか、携帯を他の人と共同で使ったりするか、と再度問いかけてきた。
私が、独り暮らしです、他の人と共同で使用したり貸したりすることはありません、と答えると、Kはまだ疑っているような声で
「あなたの名前と住所をお伺いできますか?」
と聞いてきた。嫌疑をかけられるのはなんか癪に障るなぁ、こっちは何一つ悪いことしてないんだから、逃げも隠れもしないわよ!と、そのときは意地になってしまい、私はこういう者でここに住んでますけど何か?!と個人情報を伝えてしまった。
結局その日の朝は、二度寝することもできずに出社するハメになった。再入眠には中途半端な時間帯だったこともあるが、Kの対応が腑に落ちなくて、ずっとモヤモヤしたせいでもある。
着信履歴から検索してみたところ、確かに浦和警察署の電話番号だった。Kが本当に警察官だったとして、こんな朝早くに事情聴取したりするのだろうか?しかも、電話で?名前や住所を聞いてきたけど、電話番号を知っているのであれば、GPSで位置情報を確認できるだろうから、私の個人情報を聞き出す必要はないのでは?だいたい、容疑者(私は違いますけど!)と接触するときって、もっと慎重になるんじゃないの?
こんな気持ちをずっと抱えているのは絶対にイヤ!と思った私は、会社の昼休みに浦和警察署に電話してみることにした。交通安全課って言っていたよなぁ、そちらに繋いでくださいとお願いしたらすぐ繋いでくれるのかな?と頭の中で対応をシュミレーションしていたら、はい、交通安全課です、と直接繋がった。私は電話口の女性に、今朝早くKという男性警察官から事情聴取されたが、その人は本当にそちらの職員なのか?と尋ねた。するとその女性は
「私もそのとき横に居て、Kの対応を聞いていました」
と答えた。そして、こちらは浦和警察署である、番号の下3桁が110は警察の番号なので詐欺などに使用されることはない、と説明した。女性は続けて、私の携帯番号を別人が使用していると思っていたが、今朝の事情聴取でそうではないことが判明したため、今後連絡することはないと思う、とも言った。
「別人だと分かったのであれば、Kに伝えた私の名前や住所、それに電話番号も個人情報ですので、履歴とかから削除しておいてください」
とはっきり伝えたところ、女性は捜査に関することなので……と曖昧な返答をした。声のトーンから、私の言い分は理解したけれど、削除などの対処はしないんだろうな、という感じが伝わってきた。案の定、その後また1回、浦和警察署の番号から電話がかかってきたので、やっぱり削除してなかったのね、まだ疑っているのかしら、もう答えることなんて何もありません!と、その着信はスルーした。
私はこのことを他の人にも分かってもらいたくて、会社の朝礼のミニプレゼン(順番で誰かしらが5分程度話をすることになっていた)でも報告してしまった。その際、
「下3桁が110の電話番号は警察なので、詐欺などではないようです」
と広めてしまったのだけれど、今回の新宿警察署の件が起こったからなぁ~。やっぱり、あの電話も詐欺だった?
国際的な詐欺被害も広がっている。
以前にこのサイト内『フランス版オレオレ詐欺』で書いているけれど、私のアドレス宛にフランス語の文面で、スイス銀行へ送金してくれという内容のメールが送られてきたことがあった。そのときのメールには、件名に私の友人であるマルティヌの名前が記載されていた。彼女のアドレスから発信されたメールではなかったものの、彼女の交友関係を分かったうえでの犯行だ。これは大変、あなたの情報が広まっているかも知れないから気を付けて、と私はすぐマルティヌにそのメールを転送したのだった。そのあと彼女からは、あまり気にしていないような返信が届いたので、ちょっと拍子抜けしたのだけれど。
先述の新宿警察署の電話番号詐欺のように、本人が使用しているアドレスが乗っ取られ、詐欺のメールが届いたとしたら、私たちは詐欺に気付くことができるだろうか?
この不安を見透かしているような詐欺メールを、私は1~2か月前に受信している。今回のメール文面はドイツ語。内容は分からなかったけれど、私が25年来やり取りしているウィーンのマーティンをかたったものだった。彼とは2000年にフランスの語学学校で知り合い、卒業後は週1回フランス語でメールのやり取りをしている。マーティンは会社用と私用2つのアドレスからランダムにメールを送ってくることに加え、旅行中はまた別のアドレスを使ったりする。彼のアドレスにはファミリーネームかファーストネームのいずれかが入っているので、私は会社用と私用のアドレスだけを登録し、旅行中に送られてきたメールに関しては、アドレス名からそれだと判断するようにしていた。
その詐欺メールはマーティンの名前が入ったアドレスから発信され、マルティヌのときと同じく、件名にマーティンの名前が記載されていた。あれ、旅行するとか言っていたっけ、とメールを開いたところ、ドイツ語だと思われる文章が5行ほど並んでいた。
私は最初、マーティンが誤ってドイツ語で書いてきてしまったのだと思った。私たちはお互いにフランス語を忘れないようにしよう、とメールを続けていて、この25年間、日本語やドイツ語はもちろん、英語ですら使用したことはなかったのだ。しかしすぐに、私はそのメールがマーティンの誤りによるものではないと気付いた。そのことを決定づけたのは、文章の最下部に、何やら数字の羅列とBankの文字、そして10,000€の記載があったからだ。
こ、これは、『フランス版オレオレ詐欺』のときと同じ状況なのでは?
詐欺ではなかったとしても、意味が分からない私は内容を確認しようと思っていたので、マーティンの私用アドレス宛にそのメールを転送した。
マルティヌとは違い、マーティンからは驚きを隠せない返信が届いた。詐欺メールには、彼が旅行中に車で事故を起こしてしまったが、保険に入っていなかったので大金が必要である、ついては以下の銀行口座に1万ユーロ振り込んでくれ、と記載されていたそうだ。う~む、金額は跳ね上がっているけれど、保険がらみのところとかも、フランス版詐欺と似ている!
「どうしてシホにこんなメールが届いたんだろう?君がこれを僕からのメールだと思っても、不思議じゃないよね。ドイツ語が分からなくて良かったよ!仮にこれが僕じゃないマーティンだったとしても、気味が悪いね。僕の周りで同じようなメールを受け取った人がいないか、確認してみるよ」
そうだよね、そういう反応になるよね。危機感覚が同じで安心した!
日本国内からだけではない詐欺事件。電話での詐欺が多いようだけれど、皆さま、メールにもご用心あれ!